福岡市公民館交流健康麻雀大会開催の趣旨
認知症予防、コミュニケーション、引きこもり防止を目的とし、飲まない(アルコール)・吸わない(タバコ)・賭けない(お金)をルールとして楽しんでおられる高齢者の方が、他の公民館でのサークルや同好会また、いこいの家や健康麻雀教室で麻雀を習っておられる方との交流、腕試し、楽しみを目的とした大会です。
麻雀を勝負としてではなく、皆さんが和気あいあいと楽しめるゲームとして麻雀を行っていただきます。
第1回福岡市公民館交流健康麻雀大会
開催日時:平成29年12月3日日曜日 12:00~17:00
会場:西長住公民館 参加人数36名
チーム戦優勝:香椎浜公民館1 大野和彦・稲富義弘ペア
準優勝:西長住公民館2 小手川泰則・古賀すみ子ペア
3位:西長住公民館1 安藤常男・関 義孝ペア
個人戦優勝:久末さん 準優勝:稲富義弘 3位:小手川泰則
第2回福岡市公民館交流健康麻雀大会
開催日時:平成30年7月1日日曜日 11:00~17:00
会場:福岡市健康づくりサポートセンター 参加人数:88名
チーム戦優勝:那珂公民館A 平井秀男・木村美枝子ペア
準優勝:別府公民館B 田代公昭・藤村尚紀ペア
3位:四箇田公民館A 今任貞夫・矢野明子ペア
個人戦優勝:田代公昭 準優勝:白崎孝三 3位:平山景子
第3回福岡市公民館交流健康麻雀大会
開催日時:平成31年3月31日日曜日 12:00~17:30
会場:福岡市健康づくりサポートセンター 参加人数:108名
チーム戦優勝::西長住公民館
第3回より初級の部(3年未満)新設
第4回福岡市公民館交流健康麻雀大会
開催日時:令和元年11月10日日曜日 12:00~17:00
会場:福岡市健康づくりサポートセンター(あいれふ) 参加人数108名
チーム戦優勝:香椎浜公民館B 柳澤 保 薙野大八ペア
準優勝:南片江公民館B 金子雅英 佐土原宏典ペア
3 位:若久公民館 川村修一 小口 徹ペア
個人戦優勝:薙野大八 準優勝:長澤耕志 3位:金子雅英
初級の部優勝:石川佳子 準優勝:塩塚順子 3位:大賀良子
第5回福岡市公民館交流健康麻雀大会
開催日時:令和5年5月21日日曜日 11:00~16:30
会場:福岡市立中央体育館 参加人数:150名
チーム戦優勝:プラチナクラブ東香園 末光英一・田渕正人ペア
準優勝:原公民館 山口 正・今村裕明ペア
3位:原公民館 井本 靖・益田 茂
個人戦優勝:田渕正人 準優勝:佐々木知之 3位:宮原幸太郎
初級の部優勝:古閑美知子 準優勝:山田ひとみ 3位:早野博美
第6回福岡市公民館交流健康麻雀大会
「第6回福岡市公民館(サークル・同好会)交流健康麻雀大会」レポート
文: 一般社団法人NSK健康麻雀九州 陶山昌明
福岡市立中央体育館は、静かな朝を迎えていた。午前8時、NSKスタッフたちが体育館のロビーに集合した。車に積まれていた麻雀卓と、麻雀牌が、待ってましたとばかりに競技場に運ばれていく。五月晴れ、気持ちが高揚する「麻雀日和」。参加者のための麻雀卓が、規則正しく整列した。
2024年(令和6年)5月26日(日)、「第6回福岡市公民館(サークル・同好会)交流健康麻雀大会」が、福岡市中央区赤坂の福岡市立中央体育館で開催された。主催・運営は一般社団法人NSK健康麻雀九州、後援は福岡市、協賛は(株)ノア・カワバタ、日本プロ麻雀連盟九州本部のもと行われた。第6回を迎えた今大会は、同団体が開催する大会としては過去最大の規模となった。
「先生、おはようございます」午前10時、1人の参加者が受付にやってきた。原公民館の生徒さんのようだ。講師を務めるNSK代表理事 瀬戸の姿を見つけて、パッと笑顔になった。「箱崎です」「大橋ボウルです」続々と参加者が体育館に集合し、NSKスタッフ佐藤(日本プロ麻雀連盟九州本部所属)は少しずつ温度が高くなっていくのを感じていた。参加資格は、公民館・いこいの家・カルチャー・麻雀店等で健康麻雀をされている60歳以上。大会は、普段とは違い、緊張感のある中で、自分の実力を発揮できる場だ。
今大会も、初級者部門(麻雀歴5年未満)と中・上級者部門の2部門にクラスを分けて行った。初級者部門は、何を捨てて良いかわからない方、何でテンパイしているか不安な方など、麻雀にまだ自信のない方にとっての部門である。ポイントで手を挙げてスタッフのサポートを仰ぐことが出来る。競技として真剣に麻雀を打ちながらも、成長のシーンは至る所に存在している。中級者・上級者部門は、個人戦だけでなく、2人1組のチーム戦で、2人の合計ポイントによる順位を競う部門。仲間の存在を心強く感じるはずだ。
「麻雀にはスタイルがあります。攻撃型・守備型・対応型。自分の型を見つけてください。ちなみに私は守備型です。」日本プロ麻雀連盟九州本部本部長中村政時が、開会式でそう述べた。いつもは豪快で大胆な人が守備型だったり、大人しく物静かな人が攻撃型だったりする。麻雀は性格が出るとはよく言うが、人によって麻雀の型が違うのは、非常に面白い部分とも言える。大会という非日常で、思いもよらない自分のスタイルを発見するかもしれない。
当大会を主催、運営するNSK健康麻雀九州は、現在、福岡を中心に公民館などで教室を開催し、主に高齢者向けに健康麻雀を普及している。「健康麻雀」は、仲間達と健全に楽しめる頭脳スポーツ。マナーを大切にしながら、選択ひとつに汗をかき、参加者同士で好プレーを讃え合うことで、時に大きな熱狂を生むのだ。実は今大会、160名での開催予定だったが、当日急遽4名の欠席が出てしまい、NSK運営から4名の黒子が卓に着席。運営人数が限られる中で、少し慌ただしくゲームスタートを迎えることになった。
一瞬の静寂。今大会のメインMCを務めるNSKスタッフ西村が、1回戦、試合開始の口火を切った。「よろしくお願いします!」そんな参加者同士の挨拶が、競技場に鳴り響いた。NSKは、勝ち負けよりもまず第一にマナーを大切にしている団体。例えば「牌の強打」や「三味線」、「アガり批判」のような行為はしっかり注意し、全員が気持ちよく楽しめる空間を意識している。尚、今回の大会での最高年齢者は、足立さん(住吉公民館)で、昭和7年生まれの91歳。中・上級部門で戦い、チーム戦では60チーム中の12位(プラス47.8)、個人戦では120人中の42位(プラス8.8)と大健闘した。指先を使い考える麻雀は、脳の若返りにも役立つと言われている。そして、心を健康に保つような仲間作りにも最適なコミュニケーションツールだ。心踊るような選択の連続が、いつだって参加者たちを待ち受けている。
2回戦が始まる。開会式の時に感じていた緊張は少し和らぎ、大胆なアガリが頻発した。初級者部門、半矢さん(野多目公民館)の手。東場の親で、ダブ東アンコの索子1ー4ー7ソー待ち。捨て牌の一段目に、1ソーを捨てていたが、半矢さんは果敢にフリテンリーチを敢行。すると、なんと1発で7ソーを引き入れることに成功。6,000点オールをアガり、一気にトータル首位に迫る。ちなみにこの半矢さん、最終結果は惜しくも初級4位だったが、上位陣と最後までしのぎを削った。他にも、「倍満出ました!」と、別府さん(那珂公民館)の声が挙がった。自分の調子を確かめるように、参加者は、一打一打真剣に打っている。
最終3回戦が、スタートした。泣いても笑っても、残り半荘1回。ここまでの成績で、それぞれ自分の目指す目標の差はあれど、一着順でも上を目指すことには変わらない。楽しむことを忘れずに、目の前の参加者同士で切磋琢磨している姿がそこにあった。とある参加者で、白・發・中が全てトイツとなり、大三元が狙える手が入った方がいた。しかし、同卓したNSKスタッフ安倍(日本プロ麻雀連盟九州本部所属)がさっと1,000点で流す。今大会は、麻雀プロと同卓し、刺激ある麻雀を体験できる場でもある。近くで一際大きな歓声があがる。なんと、井本さん(原公民館)が見事に役満四暗刻を成就したのだ。 興奮したその声に、NSKスタッフ石川が駆け寄り記念写真を撮った。2回戦までは中間順位のスコアだったが、果たして頂点に届いたのだろうか。60分アナウンスが鳴り響き、全ての対局が終了した。
最終スコア集計作業の間、参加者が退屈しないよう、アマチュア落語家の粗忽家勘心(そこつやかんしん)さんより、「健康落語」を披露いただいた。試合の緊張感から解放され、競技場は笑いの渦が起こるほど大盛況だった。実はこの粗忽家勘心さんの息子さん、テレビドラマなどで活躍している俳優「中村蒼」さんであり、お二人ともエンタメとして多くの人の心を動かす才能に溢れている。落語のオチの後は、いよいよ表彰式。和やかだった雰囲気に、再び緊張の瞬間が訪れた。
初級者部門の優勝は、林葉さん(箱崎公民館)。名前が呼ばれると、林葉さんはとても嬉しそうに、胸を張って表彰を受けている。同じ箱崎公民館の仲間から歓声があがる。大会の優勝は、自信になる。中・上級者部門に挑戦する日も近いかもしれない。そして、中・上級者部門の栄えある個人戦優勝トロフィーは、常に大会上位に位置する猛者、小手川さん(西長住公民館)が獲得した。1回戦57.1、2回戦25.2、3回戦18.9のプラス101.2ポイントと圧巻のスコア。2位に20ポイント近く差をつけて優勝した姿は、まさにチャンピオンにふさわしい。ちなみに惜しくも準優勝は、3回戦で役満をアガッた井本さん(原公民館)だった。あと一歩及ばなかったが、記憶に残る思い出になっただろう。そしてチーム戦優勝も、小手川さんが所属する西長住公民館チームだった。相方の荻野さん(西長住公民館)もプラス53.7ポイントと健闘した。会場を包み込む拍手は、本日一番の大きさだった。(写真5)最後に全員で記念写真を撮影し、今大会の幕が閉じた。(写真6)
「昨日は久々に何十年ぶりとかで色々な方にお会いできてとても楽しい1日でした。」と、とある参加者の方からそのような感想をいただいた。健康麻雀は、「地域のコミュニティー」としての役割を担っている。麻雀を全く知らない人でも、ぜひ参加して欲しい。未経験の方でも大丈夫。スタッフがレベルに合わせて丁寧に教えるので、何も心配は要らない。「麻雀が何よりの楽しみ」と、一生の趣味になる可能性だってある。また来週、公民館であの仲間と会える。笑いながら、適度におしゃべりしながら、少しづつ成長を感じることが出来る。「健康麻雀を、もっと世の中へ。」NSK代表理事 瀬戸の想いが広がっていく。私たちは、健康麻雀の可能性を強く信じている。